新しいサービスの創出が企業成長と人材採用の肝に

株式会社さくらソフト 安藤 裕史
京都大学卒業後、JPモルガン・チェース銀行へ入行。
退行後、株式会社ディー・エヌ・エーにてMobage(モバゲー)、及びYahoo!モバゲーの大手ソーシャルアプリケーションプロバイダーへのコンサルティング、営業に従事。
2014年、株式会社Interraps代表取締役社長に就任。その後、アクセルゲームスタジオ株式会社と経営を一体化し、アクセルゲームスタジオ株式会社取締役に就任。
2015年、株式会社さくらソフト取締役に就任。その後、2017年11月より同社代表取締役CEOに就任(現任)。

バイラルマーケティングを意識した採用活動

-事業内容と会社の現状について-
当社は、ブラウザゲームやソーシャルゲームを中心としたゲーム開発事業部とAIやフィンテック、その他幅広いウェブサービスを受託開発するシステム開発事業部の2つの事業部から成り立っています。もともとは、モバゲーやグリーなど、プラットホーム型のソーシャルゲームで急成長した会社ですので、現在はゲームの開発事業が売上の8割以上を占めています。私が昨年の11月に2代目の社長に就任した際に、ゲーム分野だけでなくシステム開発分野を第二の事業の柱にしようということで新事業部を立ち上げたのです。

ゲーム開発は投資がとてもかかる事業で、新規でソーシャルゲームを作るとなると、ざっと5億円位の投資が必要となります。それだけ投資しても成功する保証はなく、失敗するということもありえますので、最近では他社とのアライアンスを強化して共同開発したり、他社がすでにリリースしたゲームの運用を引き受けるなど、リスクを軽減しながら事業展開を行っています。

-人材採用について-
ゲーム開発に関わっていて難しいと感じるのはやはり人材の確保です。一次開発でトータル30人ほどの技術者が必要で、求められる技術も多様です。大きく分けて、プランナー、エンジニア、アートの3つの分野があり、そこからさらに細分化されます。例えば、アートの分野だと、2D、3D、サウンド、、、といった感じです。常に多種多様な人材を社内に抱えておかないといけないので、人材採用にはかなり気を使っていますね。人材採用を強化するにあたって気を使っていることは大きく次の3つです。

1つは、採用活動におけるブランディング。
ゲーム開発を行っている企業はやはり東京に集中しています。千葉には大規模なゲーム開発会社はほとんどどありません。ですので、当社は、千葉で働きたいというゲーム関係の人材には一番いい環境を打ち出すということを意識しています。東京まで行かなくても、海浜幕張で働ける有力なゲーム会社としてのブランディングですね。実際、社員の大半は千葉出身で、海浜幕張で働けることに価値を感じてもらっています。

2つ目は、すべての関係者に信用されること。
当社を受けに来てくれる学生や応募者を初め、採用した社員、取引先、お客様など、すべての関係者に「さくらソフトは信用できる会社だよね」と思われるように意識しています。1つ1つのコミュニケーションのスピードやコミュニケーションの中身など、信用を裏切らないような行動に気を配っています。

3つ目はバイラルマーケティング。
千葉では有力なゲーム会社とは言え、知名度はまだまだです。マスで広告を打ってもなかなか反響があるわけではないので、マイナスではなくプラスの評価が口コミで広がり応募者が増えることを意識しています。特に効果的なのが大学生の口コミです。
例えば、千葉大や千葉工大など、エンジニアの志望者が多い大学に直接アプローチしているのですが、ゲームサークルなどに顔を出し、まずはアルバイトに来てもらって、当社の文化や事業に触れてもらう。そうするとそこからあっという間にネットワークが広がるんです。そうやって入社してくれた人が何人もいます。

3つ目のバイラルマーケティングの効果を出すために、1つ目と2つ目に気を使っているということになりますね。

伝えるメッセージはシンプルに「いいものを一緒につくろう!」

実は私はファイナンス分野出身の経営者なのですが、前社長はゲームのプロデュースを行っていました。その影響もあり、これまでの採用はどちらかというと、社長がプロデューシングしたゲームを作り込める技術を持った人材を主なターゲットにしていました。ですが、私にはプロデュースはできませんので、チームとして新しいゲームを生み出す、チームとして新しいチャレンジをしていく組織にしていく必要があります。ですから、ある程度技術はなくても、能動的に技術を高めていく、吸収していく力のある人材、ポテンシャル重視の人材を採用するようになってきました。

ゲーム関連の人材は、ゲームが好きでゼロから創造性に富んだオリジナルのものを作りたいという思いが強い傾向にあります。ゲーム以外に興味がなく、ゲームしかやりたくないという人が多いのも特徴なんです。ですが、新しい開発事業部の展開も含め、これからはもっと横への広がりが重要となりますから、私は技術力そのものよりも意欲や主体性など、何のために当社に入りたいかということを大事にしています。

そんな人材を採用するために、私が伝えたいメッセージは1つ。極めてシンプルですが、「いいものを一緒につくろう!」ということです。システム会社として、いいゲームを作る、クオリティの高いゲームをつくる、優れたサービスを作る。それ以上のことはあまり打ち出していません。
成長しているIT企業というのは何かと派手なイメージ、革新的なイメージがありますが、このシンプルなメッセージだけでコミットしてくれる人材の方が優秀ですし、当社に社風に合っていると感じています。

-組織風土や人材の育成について-
当社の目指す「いいものを作る」という目標を追求するためには、尖っているメンバーの集まりである必要があります。それぞれが個々のスキルを磨くと同時に自由に発言しあえる関係でなければなりません。そのために意識しているのは、お互いが認めあっている組織にすること。
私は、人間はどんなに優秀でも1人では限界があると考えていて、私より優秀な人材が揃っている会社にしたいと思っています。そんな思いから、社員同士もそれぞれがプロフェッショナルな覚悟を持って、お互いを認めあって進んでいけるという集団にしたいですね。

メンバーそれぞれを磨く仕組みの1つとしてメンター制度というものを取っています。一定のプロジェクトに対して、一定のレベルになるまでは先輩がメンターとしてサポートについて、技術力を磨きます。開発言語を一から教えることもありますし、実戦形式でトライ&エラーを繰り返していくこともあります。その人のスキルレベルによって対応は変わりますが、プロジェクトに入れるだけの知識を身につけさせた上で、プロジェクト内のOJTで育てます。
そこで意識しているのは、早い段階で責任のある仕事を任せることとちょっと背伸びしないといけない仕事をさせることです。責任を与えられたり、背伸びしないとできない仕事をする時に人は一番成長しますからね。

人事評価に関してはできるだけ長期的な視野で見ることと、メリハリをつけることを大事にしています。それぞれのプロジェクトにおいて毎月の目標に対してどれだけやれているかということは重要ではありますが、ゲームは短期的に評価するのは難しいものでもあるので、1年2年と長期的な視点で評価することを心がけています。また、私自身が外資系の会社出身なので、成果をあげたら給与をシッカリ払うという方針を取っています。正当にフェアに評価されているという状況がないと社員同士、お互いのリスペクトも成り立たないと思いますので。社員との面談をする中でも、エンジニアはやったものに対する成果で評価される方が納得するケースが多いように感じています。

社員同士がコミュニケーションを取りやすい環境を第一に

当社の勤務時間は10時~19時で残業はほとんどありません。私自身、長く働く=正義という環境が嫌いですし、できる人ほど働く時間は短いと考えているので無駄な残業はしません。そういう点では超ホワイト企業かもしれません(笑)。
残業が少ないのは変わりませんが、昨年までは、コアタイムが3時間のフレックス制でした。自由に出社して自由に集中して仕事のできる環境ではあったのですが、エンジニアは夜型の人間が多く、なかなか昼に人が集まらないんです。そこで、社員間のコミュニケーションが取りやすいように、今年から定時制に戻しました。今後も状況に応じて対応は変わるとは思いますが、今は定時業務のスタイルにして良かったと感じています。

-今後について-
初めに申し上げたとおり、ゲーム開発事業を伸ばすと同時に、一般のシステム開発事業を伸ばしていきます。ただ、その中で強く意識しているのは、必ず自社独自のITサービスを立ち上げるということです。新しいサービスを自分たちで創り出すというのは、企業成長の肝でもあり、人材採用の肝でもあると考えています。
システム開発を受託する仕事は価値のある仕事ですが、どんなサービスをつくるかというオーダーがお客様から上がってくるわけですから、ある意味オーダーをこなすことに集中するだけで考えないですむ、楽な仕事とも言えます。

これだけだと、会社としてのアップサイドがないし、優秀な人材が引き寄せられません。優秀な人材ほど、自社独自のサービスの開発ができる環境にこだわりますから。
リクルーティングしていても優秀な人ほどそこに対する要求が大きいことを感じています。社員に対してもその環境を提供していないと離れていってしまいます。
ですから、新しいサービスの創出にこだわります。幸い今は、新たなサービスの開発に向けて注力する経営資源が揃っています。だからこそ、積極的に仕掛けていかないといけないと考えています。

社名 株式会社さくらソフト
事業内容 コンピュータソフトウェアの設計、開発、および販売
代表者 安藤 裕史
創業・設立 1998年5月14日
住所 千葉県千葉市美浜区中瀬1-7-1住友ケミカルエンジニアリングセンタービル23階
URL http://www.sakurasoft.co.jp/
採用状況 新卒採用 中途採用

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