株式会社ハクヤ 代表取締役 関 進弥
船橋を拠点に、千葉県内・東京都内でリノベーションやメンテナンス・原状回復など、戸建てから集合住宅(アパート・マンション・ハイツ)まで様々な施工を行っています。満足度の高いリノベーションの提供で、主に賃貸物件を所有しているオーナー様や不動産会社から支持を頂いています。 |
創業以来、業績は緩やかな右肩上がり
-事業内容と会社の現状について-
当社はアパートやマンションなどの賃貸物件のメンテナンスや、リニューアル工事の管理・施工を行っている会社です。お客様は不動産会社様や賃貸物件のオーナー様がメインとなります。
もともとは不動産会社向けに管理物件の掃除からスタートしました。入居者が引越した後の掃除を引き受けていたのですが、物件の細かいメンテナンスや内装工事と仕事が広がってきたのです。数年後には、入退去時の内装工事やルームクリーニング、鍵交換など賃貸物件の現状回復の仕事がメインとなりました。
会社の強みが明確になり、しばらくの間、安定した受注を頂いていたのですが、一時期から急激に仕事が減り始めました。それまで原状回復費用は入居者の敷金から回収するという考え方で費用の捻出がしやすかったのですが、オーナー様が負担するという考え方に変わり、不動産会社がコスト削減のために仕事内容をどんどん絞っていったのです。原状回復費用を徹底して下げるために、クロスの張替えはしない、クリーニングも最低限しか行わないといった感じで仕事の範囲がどんどん狭められていきました。そうなると安さだけが勝負です。価格競争での勝ち目はなく、原状回復に頼った仕事の受け方を変えていったのです。
コスト削減ばかりが要求される厳しい環境ではありましたが、誠実な仕事をしていましたので、オーナー様から不動産会社を通さずに直接仕事を依頼をいただいたり、不動産会社からは賃貸ではなく物件売買時のリフォームを任せていただりすることが増えました。それにより、今の会社の強みである、オーナー様との直取引、リフォームという2つの基盤が確立できたのです。
誠実な仕事というと曖昧ですが、一番評価をいただいていたのは「仕事が速い」ということだったと思います。お客様から色々と要望をいただいた時に、引き受けるかどうか迷っても、結果的には引き受けざるを得ないことが多い。だったら、「初めから2つ返事で引き受けてしまえ!」という姿勢で取り組んでいました。ですので、お客様から何か追加の仕事の相談を受けると、当日もしくは翌日には完成させてしまい、感動されるといったこともよくありました。大した差別化でもないのですが、「仕事の速さ」にはこだわっていましたね。
また、本当にお客様に恵まれてきました。「何でも引き受ける!」という姿勢で仕事をしていたので新しい仕事の相談をよく受けます。ですが、経験や資格がなくて引き受けられない仕事もたくさんあります。そんな時にチャンスを頂けたのです。
例えば、「水道工事もやってほしい」と相談され、「資格がないので資格を取ります」と言うと資格取得するまで他社に切り替えずに待ってくれたり、オーナー様から「アパートを建て替えてほしい」と言われて、「建築士の資格を取らないといけない」と言うと建替え時期を2年先延ばしにしてくれたり。完全にこちら都合なのに優しくチャンスをくださるありがたいお客様に支えられてきました。
もちろん、その思いに応えようと必死に勉強してきました。例えば、会社の規模的に仕事の流動性がなくなるので、新築案件はできるだけやらないようにしているのですが、どうしてもと頼まれることもあります。そんな時に空室の出ない賃貸物件を企画するのです。賃貸物件を多く扱ってきたことから、どんな物件が入居者に人気なのかは把握しています。ですので、弊社が建てる賃貸物件は部屋がしっかり埋まるんです。それにより、オーナー様からの信頼が高まり、他のオーナー様をご紹介いただくなど、頂いたチャンスをしっかり活かしてきました。
創業以来の25年を振り返ると会社が急激に成長するということはありませんでしたが、とりわけ何か経営的にきつかったということもありませんでした。お客様との太いパイプを築き、お客様から紹介を頂きながら、少しずつですが着実に業績を伸ばしてきており、リーマンショックや震災も業績にはほとんど影響がありませんでした。直近の経営的な課題としては「人材採用」だと感じています。
社内の雰囲気の良くなった今が過渡期
-人材採用や働く環境について-
建築業界においてはどこも同じだと思うのですが、人材採用が本当に大変です。仕事の依頼はどんどん来るのですが、人が確保できません。昔は募集すればすぐ応募が来たのですが、今は本当に集まらなくなりました。先ほど話したとおり、「お客様からの仕事は全部受ける」というのが私の初心なのですが、正直、今は断らざるを得ない仕事もあり悔しいですね。既存のお客様の要望にはすべて応えられるくらいには人材を増やしたいと思います。
採用を強化するために、数年前から少しずつですが、働き方や社内の組織を見直し始めました。日曜日に加えて、水曜日と土曜日を隔週で休む形で完全週休2日制を導入したり、ベースとなる給与水準を引き上げたり。昔は業務以外で社員と関わることはあまりなかったのですが、最近はレクリエーションも増やしています。
私自身の社員への関わり方が大きく変化したことで、数年前から社内の雰囲気が大きく変わってきました。自分一人で事業をスタートしてがむしゃらにやってきたこともあり、数年前まで、私の視点は外(お客様)ばかりでした。それが色々なきっかけがあり、中(社員)を向くようになりました。社員の意見をどんどん聞いて受け入れるようになりましたので、お互いの距離感が近くなり、サークル的な居心地の良い状態になっているように思います。
ただ、これが良いことでもあり悪いことでもあるのかなあと感じています。新しく入ってくる人間からするとサークル的な雰囲気というのは壁にもなりえますから。例えば、仕事が終わって、社員が社内でリラックスして雑談をしているということがあります。本人たちも残業しているつもりはなく、コミュニケーションの時間なのですが、新人にとっては気を使ってしまう場になりえます。「働き方改革」が注目される中、社内コミュニケーションを円滑にしているムダな時間をどうしていくのか、会社としてどこまで規制すべきか、なかなか難しい問題ですね。
完全週休2日制が実現し、労働時間はかなり減ってきました。昔は何でも引き受けるという姿勢だったので、正直、労働時間も長かったし、遅い時間の仕事も多かった。でも最近は、私もお客様もある程度の余裕が持てるようになってきました。特に、休まず真面目にやっていた若い社員が突然体を壊して辞めてしまったという経験をしてからあまり無理をしないように、特にお客様が受け入れてくれる範囲であれば積極的に休もうという雰囲気になりましたね。
また、働き方に加えて、社員評価に関しても見直す時期にきていると感じています。現在は、評価や昇給、賞与は個人やチームの売上をベースにしているのですが、昔と違って、やればやるだけ稼げるという環境に目を輝かせる人が減ってきています。目標を達成することで昇給したり、賞与が増えるといったことがすべてモチベーションに繋がるわけではないので、別の指標も必要になってきているのかなあと。
「人材採用」を強化するに当たっていくつも改善すべき課題がありますが、長い目で見て、じっくりと体制を整えている段階です。幸い、経営的には安定していますので、地道に粘り強く改革していこうと考えています。
-今後について-
これまでもそうでしたが、この先も急激に伸ばしたいと言う気持ちはあまりありません。昔から一貫して、頼まれた仕事を責任持ってやりたいという思いだけでやってきました。この思いはこれからも変わりません。今いるお客様を大事にするために組織を強くし、社員をもう少し増やしたいですね。
この先、景気が落ち込み、建築需要が減ることが見込まれますが、弊社のお客様との関係やビジネススタイル上、それほど心配していません。大きく伸びる可能性は低いですが、落ち込む可能性も低い。大きなビジョンはありませんが、着実に少しずつ伸ばしていきたいと思います。
聞き手:株式会社千葉キャリ 種村(写真右)
社名 | 株式会社ハクヤ |
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事業内容 | 賃貸事業物件のメンテナンス管理請負 賃貸事業物件の建築及び増改築 建物耐震補強工事 建物内外装リフォーム |
代表者 | 代表取締役 関 進弥 |
創業・設立 | 1995年7月(創業:1993年) |
住所 | 千葉県船橋市芝山1-10-6 |
URL | http://www.hakuya.jp/ |
採用状況 | 中途採用 |
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