上場を目指すスタートアップ企業として再出発

株式会社 ジョーレン 代表取締役社長 中村和睦
当社はECサイトの構築・運用・運営サポートに強みを持つWeb系システム会社です。ECサイト開発のオープンソースであるEC-CUBEのゴールドパートナー認定も受けており、EC-CUBEのカスタマイズによるECサイト開発の実績も数多くあります。また、開発力を活かして他社のサービス開発をサポートしたり、自社サービスの開発・運営なども行っています。

受託開発への完全シフトを決断したことが転機

-事業内容と会社の現状について-
当社はECサイトの構築に強みを持ったシステム会社です。私は、派遣社員としてのエンジニアからキャリアをスタートしたのですが、「世の中に対して新しい価値や喜びを作りたい」という思いで30歳の時に仲間のエンジニアと2人で起業しました。
当時立ち上げたサービスが、社名と同じ「joolen」というサービス。「joolen」は常連客の常連から名付けていて、常連客、いわゆるリピーターを効率よく獲得するための支援を行うのが目的。QRコードを読み取り経験値を貯め、来店すればするほど特典がつくという仕組みで小売店や飲食店に導入してもらいました。「庄や」や「やるき茶屋」など、大手居酒屋の直営店でテストマーケティングとして導入してもらうなど、高い評価も得たのですが、なかなか思うようにいかず、結果的に今は一旦サービスを閉じています。

当時、「joolen」のサービスがうまく伸びずに資金的に厳しくなり、経営陣2名ともSES派遣でお客様先に常駐し、1,2年会社をつなぐという状態を経験しました。ですが、さすがにこのままでは拉致があかない、会社として成り立たないということで、今後どうしていくかを派遣先の業務後に毎日のように議論しました。
エンジニアが輝ける環境、一番幸せになれる環境とはどんなものか?、そんな環境を作りたいと考えた時にやはり自社開発をしないとだめだと思いました。まず自社開発に取り組み、そして仲間を増やそうと、SES派遣でつなぐことをやめ、受託での自社開発に完全シフトする覚悟を決めたのです。

受託開発をするに当たってどうやって強みや差別化を図ろうかと考えていく中で、もともとECに興味があったこと、EC市場が急激に成長して規模が大きかったことから、ECサイトの開発に焦点を絞りました。それから知人のツテなどをたどって、実際に受託開発をスタートしたのが大きな転機となりました。そこから、よい仕事を続けることで、どんどん仕事を回してもらえるようになり、社員を少しずつ増やしてきました。技術を学べば色々なことができますが、「何でもできる」では特徴のない開発しかできなくなります。当社はEC分野に特化したことで、ECに必要なノウハウや良い機能の速い作り方などを学ぶことができたのです。

現在、社員は18名まで増えていますが、その要因となっているのは協力会社との関係です。先方がどんどん仕事を依頼してくれるのですが、発注元、発注先という関係ではなく、得意分野の違う分業のような協力関係をうまく構築しています。先方がECサイトのデザインを受け持ち、当社が裏側のシステムを担当するというようなスタンスです。お互いに2,3名の時期からの協業関係ですが、今では、両社ともに20名弱に社員が増え、一緒に成長することができています。

最近では、ECサイトの構築をメインに、EC周辺のソリューションの開発にも業務分野が広がってきました。ECサイトに組み込むためのツールをゼロから一緒に開発するといったこともあり、上場企業や大手企業からの仕事の依頼も増えています。

好奇心が強いことが採用条件

-人材の採用や育成について-
採用に関しては、友人のツテや地域のコミュニティサイトからスタートし、徐々に有料媒体を利用するようになりました。正直、初めから出来上がった人、即戦力を取れることの方が少ないので、経験値の浅いエンジニアも採用し、ソースコードレビューを行ったり、丁寧に教えることで、実務レベルに引き上げて、現場に入れるということを地道に行ってきました。
未経験でも技術的に大きく伸びる人には2つの特徴があると考えています。それは、好奇心と素直さ。好奇心や素直さにもいろいろな方向性がありますが、当社で一緒に働くための価値観に合っているかどうかを含めて面接でしっかりチェックしています。

例えば、WEBの技術のトレンドを調べているかどうか。興味があるというレベルではなく、実際に調べているかどうか、また、通常の業務以外で、何かのサービスやサイトなどを作ったことがあるかといったことを確認します。何かを作っていないとだめだとは思わないですが、好奇心の強いエンジニアというのは、自分でサイトを作ってみるという経験をしていることが多く、そういう人が大きく伸びますので、ここは採用活動の重要ポイントだと考えています。

そんな経験の浅い社員を育てていく上で、当社がこだわっているのが、ECに関連する業務知識を習得するのはもちろんですが、できる限り1つの案件を1人に任せるという方針です。
なぜかというと、要件定義→設計→実装→テストと業務を細分化し、一つの部分を任せたところで仕事の面白みは余りありませんし、サービス全体を見るという視点が育ちません。ですので、ある程度一気通貫でできるスキルを育てようという方針で要件定義からローンチまで一人でやり切ることを目指して開発に関わらせています。そうすると、途中で壁にぶつかったり、悩んだりした時も、他のプロジェクトでやっているベテランに聞くことで具体的なフォローを得ることもできるのです。

また、開発手法に関しては、ウォーターフォールモデルではなく、スクラム開発を取り入れています。ウォーターフォール型の開発は、それぞれの得意分野ごとに作業をして、引き継いで行くという流れになるのですが、自分はこの分野という業務範囲が限られ、フィードバックもないためコミュニケーションが少なくなってしまいます。一方、スクラム型開発では、並行して業務を進めることで、チームで同時に同じ問題解決に取り組みます。簡単に言うとその場で柔軟に話し合いながら決めていくというフレームワークですが、これによりチームワークが増しています。

とはいえ、そのためには、チームメンバー全員が高いレベルにないと機能しません。あるメンバーが劣っていたらそのメンバーを引き上げることがチームの目標になりますので、デイリースクラム(朝会)を開いて、メンバーが内容を同じレベルで理解をし、お互いに関心を持ってコミュニケーションするようにサポートをしています

エンジニアの生産性は環境によってとても大きく変わります。ノリノリの時はものすごい成果を出せるもので、環境だったり、メンバーとの関わりが与える影響は大きいものです。自分がそれを感じてきたので、チームワークや会社の雰囲気作りにはものすごく気を使っていますね。

経営陣がエンジニア出身なので社員の気持ちがよくわかる

-働き方について-
これまで退職者はほんの数名でほとんど離職がないのが当社の特徴です。やめない理由としては大きく3つほどあるかと考えています。
1つは、松戸が本社で自社開発ができるということ。都内に通っているエンジニアが松戸で働けるということで応募してくることが非常に多いのです。私自身も通勤ラッシュで通うのは無駄だし、生産性が下がるなあと感じていたのですが、通勤時間が短くなるとストレスも下がるもの。社員の多くは松戸近郊在住で通勤ストレスのない環境というのが大きなメリットとなっています。

2つ目は、勤務体系。当社は5時から22時までの間に8時間というフレックス制をとっています。コアタイムはありません。お客様やチームとの連携を調整してもらえれば、本当に自由です。朝の5時から働けば、午後には仕事が終わりますので、その後に、勉強会に出たり、自分で作りたいものを作ったりという働き方もできます。これが大変好評です。

3つ目は、マシンの性能。たまに常駐先でこんなスペックで開発するの?と思うような経験をしたことから、ストレスなくサクサク仕事ができるようにマシンの性能にはこだわっています。

私も副社長もエンジニア出身ですので、自分たちが嫌だったこと、こんな働き方ができればいいなあと思ったことに取り組んだ結果、今のような仕組みになっています。
その他、今後は、グーグルの20%ルールではないですが、好きなことを研究したり、勉強をした上で発表するという技術発表会を業務時間内にやろうと計画しています。新しい技術に関心が高い人が多いし、それを使って世の中に対して新しい価値や喜びを作るという文化をもっともっと強くしたいと考えています。

-今後について-
受託開発だけでなく、自社サービスの開発に本格的に着手を始めました。受託開発はプロジェクトをゼロから100まで一気通貫で行いますから、仕事を通じてエンジニアとしての深みが増します。その経験を活かしつつ、自社サービスの開発に携わるという流れを作ります。
「joolen」というサービスが当社のスタートで、自社サービスにより世の中に対して新しい価値や喜びを作りたいというのが強い理念です。改めてそこに向き合い再スタートをしたいということで、今年の4月に社内に向けて「資金調達を含めて、新たにスタートアップとして上場を目指して成長する」ということを宣言しました。

ビジョンやミッションをしっかりと言語化することがこれからの課題ですが、こっちに行きたい!という方向性は見えています。EC市場の可能性はまだまだ大きいので、この分野に特化した強みを活かし、大きく成長をします。


聞き手:株式会社千葉キャリ 種村(写真右)

社名 株式会社 ジョーレン
事業内容 ・Web系システム開発
・ECサイトの構築・運用・運営サポート
・ECショップの運営
・革手袋卸売り
・包装資材卸売り、商品開発
代表者 代表取締役社長 中村和睦
創業・設立 2011年1月11日
住所 千葉県松戸市新松戸2-9 トレノ新松戸5F
URL https://www.joolen.co.jp/
採用状況 中途採用

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