正直、これまで募集広告は出したことがありません

株式会社三上工業 代表取締役 三上 昭
当社は、鉄骨建方工事、溶接工事、本締め工事など鋼構造物工事を行っています。JR千葉駅や成田駅前ビルといった主要施設の工事や三井アウトレットパークやイオンモール、ディズニーランドといった鉄骨重量1万トンを超える大型商業施設の工事も数多くこなしています。

頭を使う仕事だから技術力が求められる

-事業内容と会社の現状について-
当社は、鉄骨建方工事、溶接工事、本締め工事など鋼構造物工事を行っています。三井アウトレットパークやイオンモール、ディズニーランドといった大型商業施設など、鉄骨重量1万トンを超える大型の現場も数多くこなしています。8年前に7名で独立しましたが、現在は社員30名になり、ここ数年は2ケタ成長と順調に伸びています。
その要因を簡単に説明するのは難しいのですが、改めて考えてみると、「技術力の高さ」と「人間関係の良さ」が大きなポイントなのではないかと思います。
もともと独立当時から当社にはレベルの高い技術者が揃っていましたが、当社の仕事は安全でとても速いことに定評があります。鉄骨建方工事というときつい部分ばかりがフォーカスされがちですが、実はとても頭を使う仕事です。鉄骨の重量計算やレッカーを置く場所の設定といった細かい部分がとても重要で、レッカーの配置場所を少し誤るだけで、作業効率や安全性が大きく落ちるなんてことはザラにあります。それも含めて技術力なのです。
そんな細かい部分に頭を使い、気を配ってレベルの高い仕事ができているのが信頼されている理由だと思います。資格取得にも力を入れていますので、資格所持者が多いのも自慢です。1級とび技能士が8名もいる会社は少ないのではないでしょうか。

また、大手ゼネコンや商社から直接請け負うことが多いのですが、一度縁ができるとリピートしてくれることが多いです。うまく言えないのですが、「人間関係の良さ」と言うのでしょうか、お客様、同業他社、協力会社ととても良好な関係を築けています。誠実で一所懸命な当社の社員の人間性を信用してもらっていることだと思います。
今では、千葉県内で大きな工事があると「三上さんお願いします!」とすぐに声がかかるようになりました。申し訳ないことに全部の仕事をお受けすることができず、お断りするくらいの状況になっています。余り他社と比べることに興味はないのですが、今では、この分野において千葉ではかなりの評価をいただいています。

良くも悪くも飲んで語り合うのが風土醸成につながる

-社員教育について-
正直、これと言って社員教育を行っているわけではありませんが、社内のコミュニケーションはとても濃いかもしれませんね。それこそよく飲みに行って、よくしゃべります。このコミュニケーションの濃さが、社員教育につながっているのかもしれません。
言い方はよくありませんが、この業界はアタリマエのことが当たり前にできない人が多い業界でもあります。例えば、「ありがとう」や「ごめんなさい」が言えないとか。そのあたりの基本的な人間性を高めるのに、日常の濃いコミュニケーションが役立っているようです。
幹部にしても同じです。頼れる優秀な幹部がいますが、彼らにも特別に何かをしたとは思いません。もともと技術者としては優秀でしたので、日常のコミュニケーションを通じて「嫌なことから逃げない」といった経営者としての覚悟だけを伝えてきました。
もっとも、先日ISO認証を取得したので、組織として会社を強くする過程で社員が勝手に成長してくれているという面もあります。自分たちで考えて自分たちで行動する社員が増えているのは非常にありがたいですね。

人脈で採用した方がいろいろうまくいく

-人材の採用について-
正直なところ、これまでハローワークを含め、募集広告はほとんど出したことがありません。現在30名の社員がいますが、個人的な人脈や社員のつてで入社した人間がほとんどです。HP経由で応募があって面接したことも何度かありますが、あまり良い人材とは出会えませんでした。面接当日に来なかったり、1日で辞めたり。。。
私自身や社員の人脈で出会った人材の方が信頼感があるし、簡単には辞めないので、縁を大事に採用してきました。もともとやんちゃな人間が多い業界なので、社員と本気で付き合うと仲間意識が強くなるのだと思います。周りに自社のアピールをして人材を引っ張ってきてくれることが本当にありがたいです。

とはいえ、採用スピードはもっと高めていく必要があります。実は今、ちょうど20代半ばの層がいないので、この世代を何とかして採用したいですね。若い世代は横のつながりが強いので、そこをつたっていけるようにアンテナを高くしています。一つきっかけができたらそこから繋いでいく自信はありますね。そして、さらにスピードを加速させるために高校を回って新卒採用にも取り組んでいこうと準備を始めているところです。

-社員との接し方について-
社員とは濃いコミュニケーションが多いという話をしましたが、私自身「人が好き」という性格が影響しているのかもしれません。誰とでもすぐに仲良くなれるというのが特技ですから。だから仲間も取引先も寄ってきてくれるのかと。でも、初めからずっとうまくいったわけではありません。過去に資金面で苦しんだ時期や人間関係で裏切られた時期もあります。その時に、「相手を恨んでも仕方がない」、「どんなことでも許せるように、人を本当に好きになるようにしよう」と心に誓ったんです。このことは、社員にもしつこく伝えていますね。

また、最近の若い世代は我々の世代と変わってきているので、コミュニケーションがより重要になってきているように思います。私の若い時と一番大きく違うのは「欲がない」ことですね。それはそれで良いのですが、「遊ぶこと、楽しむことも教えてあげたい」そう思って、いろいろと機会を作っていますね。

自分がしてもらって嬉しかったことは全部やる

-働き方について-
この仕事は本当にきついです。休みも少ないし、絶対的な工期があるからプレッシャーも大きい。昔は日曜に働くのは当たり前にあったし、大型ショッピングセンターのオープンが迫り、元旦に働いたこともありますよ。
さすがに今は、そこまではやりませんが。そんな環境ですので、「休みをいっぱいください!」と言われても応えられないのだけど、逆に「休みは少なくてもいいので稼がせてください!」と言われればいくらでも応えられます。給与体系も頑張って働く人が稼げるようにしています。また、自分が職人時代にされて嬉しかったことは全部してあげるようにしています。

-今後について-
幸いこれまでは、採用活動をしなくても会社が順調に成長してきました。お客様からいただく仕事量がどんどん増えているので、人材採用に力を入れ、成長スピードをさらに高めていきたいですね。

聞き手:千葉キャリ 種村(写真左)

社名 株式会社三上工業
事業内容 鉄骨建方工事
本締め工事
鍛冶工事
デッキプレート工事
現場溶接工事
足場工事
代表者 代表取締役 三上 昭
創業・設立 平成22年11月11日
住所 千葉市若葉区みつわ台5-11-5
URL http://www.mikami-kogyo.jp/
採用状況 中途採用