株式会社クランベック 代表取締役 川村 正樹
景観事業を主体に公共分野では官公庁・学校・公園・競技場・道路、民間分野ではオ フィスビル・マンション・ショッピングモール・物流センター等の外構においてインターロッキング、 石張り、フェンス、ブロック積、レンカ積、公園遊具、防護柵の新築、改修を手掛けています。CRAMBECはCreazione(創造)ambiente(環境) bellezza(美) citta(都市)からの造語。(イタリア語) |
まさに青天の霹靂で社長に就任
-事業内容と会社の現状について-
当社は、株式会社メイクという建設資材の卸売会社の子会社で、公共施設や商業施設、マンションなどの景観事業に関わる工事を行っています。私自身は12年前に親会社に中途入社し、8年前に当社に出向してきました。出向当時は2名の会社でしたが、建設特需などもあり現在は7名の社員を抱え、売上は9億を超えるまでになりました。
昨年11月に、当時の社長が健康上の事情で突然退任することになり、後任として社長になったのですが、実はこれは全く予想だにしないことでした。それまでは親会社から社長が選任されることが通例でしたから、プロパー的な存在の私が社長になることはとても異例なことだったのです。様々な事情が重なり、当時営業部長だった私が社長になるのがよいという話になったため、最後は腹をくくって引き受けました。ですから、今、経営をイチから勉強しているところです(笑)。
景観工事は学校や公園などの公共工事と商業施設やマンションなどの民間工事に分かれますが、弊社の仕事の7~8割は民間工事です。最近は、オリンピック関連で運動施設などの公共工事の依頼も増えてきています。基本的にはゼネコンや道路会社から下請けとして仕事をいただくことが多く、仕事の質が評価されてリピートで受注していくという形態です。我々の仕事は、例えば、ショッピングモールやマンションといった施設の外構において石張りをしたり、フェンスを取り付けたり、歩道や公園を整えたりと、文字通り景観を整える建設工事の最後の仕上げとなる役割を担います。
施設の建設現場はバリケードで中が見えないようになっていますが、工事が終わるとそのバリケードが取り外されます。その瞬間、見事な景観になっていてみんなが驚き、感動する。その瞬間を作り出すのが我々の仕事の醍醐味なのです。数多くのランドマーク的な施設の景観工事に関わっていて、ここの景観は我々が仕上げたんだという自負を持てる仕事ですね。
とはいえ、最後の仕上げというのはいろいろと大変です。建設工事においてスケジュールが遅れるというのは常ですから、最後の最後にそのしわ寄せが来ます。ですので、様々な無理難題が生じる中で、安全管理を徹底しつつ、いかにお客様の要望に応じて工事を無事に仕上げるのかが我々の価値になりますね。
当社の強みは何かと言われると難しいのですが、建設業界においては月並みかもしれませんが、「人材の質」「仕事の質」ということになると思います。請け負った工事を外注に任せる業者も多くいる中、当社は、提案から設計、施工までメーカーや協力業者とタイアップしながらしっかり自社で管理することができます。それぞれのプロセスにおいて、図面通りに施工を進めるための改善提案や、周りとの調和を大事にした色やデザインの提案、壊れにくい建材や施工方法の提案などを積極的に行っていることで評価を頂いています。
最近は、ヒートアイランド対策として遮熱効果や保水効果を求められることが増えているので、それらの基準の数値やそれに見合った舗装材に関する知識などをしっかり持っていることもとても重要になりますね。
業界未経験者が3年で一人前に育つ環境
-人材の採用と育成について-
私が当社に入社してから社員が2名から7名に増えたわけですが、親会社からの出向者以外に新卒を含め3名の20代の社員が入社しました。皆、この業界には縁もゆかりもなかったメンバーです。建築系の学校を出ているわけでもなく、近隣業界で働いていたわけでもありません。「自分はこの仕事に向いているのだろうか?」という疑問と不安を持ちながら入社した彼らが、今では中堅社員として育って頑張ってくれています。
昨年から採用活動に力を入れ始めたのですが、厳しい採用環境の中、正直苦戦しています。会社としては多くの仕事を受注できる体制が整っているので、良い人材を確保できればまだまだ成長できます。毎年、継続的に採用できるような仕組みづくりをしたいですね。
採用活動を行うにあたって、未経験者を育てられる環境があることは強みだと思います。我々の仕事は施工管理とはいえ、建設全般を取り扱うわけではありません。建設・土木工事における景観工事という限られた専門分野の工事なので、短期間でスペシャリストになることが可能です。我々が扱う製品に対する知識と施工方法をしっかりマスターした上で、工事をしっかり仕上げることができればほぼ一人前。さらに先程話したような提案や大きなトラブルへの対応ができるようになれば確実にお客様からの信頼を勝ち取れます。だから比較的人材が育ちやすい環境にあるのではないでしょうか。
OJTを中心とした実務サポートをしっかり行うことで3年も経てば、一人でお客様を担当し、我々と同じ業務をこなすようになります。フットワークの軽さや臨機応変な対応力という点では彼らの方がベテランより優れていたりしますね。また会社全体で力を入れているのは資格取得の後押しです。多くの会社で行っているかもしれませんが、土木施工管理技士などの国家資格を取るための研修や講習会への参加など、費用面も含めてかなり手厚くサポートしています。
仕事に関してもプライベートに関しても、気軽に会話ができる壁のない社風というのも好影響かもしれません。私が社長になったことで今まで以上に一体感が生まれるとうれしいです。
また、社内の環境以上に社員の成長に大きく関わっているのが、お客様からの評価だと感じています。この仕事の面白いところは、お客様から会社ではなく社員個人個人が評価をいただけるということなんです。施工内容が優れていると建材メーカーや道路会社などのお客様から、施工管理者として社員の個人名で表彰状や盾をいただけることがあります。今、この部屋に飾ってあるのは3年目の社員が頂いた賞状と盾です。彼は、夏の暑い時期に厳しい工期の中で協力業者さんと一緒に工事をやりきったのですが、その苦労が一気に吹き飛ぶような栄冠です。こんな経験をすると、仕事へのモチベーションは上がりますし、周りの人間の刺激にもなります。「俺も表彰されたい!」とライバル心を持って次の現場に向かう。これが若手が育ってきた大きな要因になっていると思います。
ベテランが古い価値観を変えていかなければならない
-働く環境について-
建設業界ではまだまだ古い体質が残っていますが、数年前から「働き方改革」を意識して、働く環境への配慮はできる限りするようにしています。具体的にはスマホやタブレットなどのIT機器を活用し、社外での業務をしやすくしたり、社内業務の効率化を図ったことで残業はかなり軽減されました。その他、閑散期の休暇取得を奨励したり、勤務間インターバルの取得など、働きやすい環境を進めています。
働き方改革を推進する上では、我々ベテランの価値観を変えていくことがとても重要だと感じています。正直、タブレットの導入に関しても、私を含め紙ベースの管理に慣れていたメンバーには抵抗感があったのですが、若手は何の抵抗もなく受け入れていました。それを見て自分が変わらないといけないと反省しました。
この先、オリンピック関連工事が佳境になってくるとさらに忙しくなるので、それを見据えて、営業サポートを強化するなど、社内の組織体制を積極的に改善しています。
-今後について-
ここ数年で様々な仕組みが整い、強い組織になっていますので、今の人員で売上を維持し、しっかりと利益が出せる環境です。やはり、「人材採用」が成長の鍵ですね。毎年、定期的に増員ができる状況を作った上で、まずは新しい事務所に移りたいと考えています。
当社は今年で創業30年。改めて社名の由来を調べたら、「美しい都市の環境を創造する」という強い理念が込められていることを再認識しました。創業者の思いを胸に千葉県での受注を増やすとともに、需要の増えている都内の受注も積極的に獲得し、売上を伸ばしていきたいと思います。
聞き手:株式会社千葉キャリ 種村(写真左)
社名 | 株式会社クランベック |
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事業内容 | 外部床材の販売 公園資材(遊器具、ベンチ、花壇等)の販売 土木建築用資材の販売 造園工事、土木工事、とび・土木・コンクリート工事、石工工事、タイル・れんが・ブロック工事、舗装工事、施工及び監理 上記に付帯する一切の業務 |
代表者 | 代表取締役 川村 正樹 |
創業・設立 | 平成2年10月1日 |
住所 | 千葉県千葉市花見川区 犢橋町1551-1与志ビル202 |
URL | http://www.crambec.co.jp/ |
採用状況 | 中途採用 |
株式会社クランベック の募集求人
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