社員組織の「教育委員会」主導で社員教育を強化

公益情報システム株式会社 代表取締役 藤崎 忠夫
公益法人、学校、官公庁、財団法人といった公共性の高いお客様を中心にITサービスを提供しています。会計システム、給与システム、謝金システムなどの自社パッケージシステムの販売やユーザーサポートを行っているのが強みです。

システム納入ではなく運用サポートがサービスの根幹

-事業内容と会社の現状について-
当社は富士通のディーラーとしてハードウェアを扱いつつ、主に官公庁・公益法人に対する会計・給与システムのパッケージソフトを販売しています。千葉市には多くのIT企業がありますが、ハードと自社開発のパッケージソフトを提供しているIT企業は意外に少なく 、独自の地位が築けていると思います。
業界的には、少し前に公益法人の制度改定があり、その際に会計システムも見直す動きがあったため、かなり多忙でしたが、制度改定に伴う動きが収まり、今は落ち着いていますね。その中で、公益法人とは違う公共機関から会計システムの入れ替えの引き合いがあり、そこから全国に横展開が始まるなど、業績は堅調に推移しています。

官公庁や公益法人を主なお客様としているので、信頼を得ると全国に横展開できるのが当社の大きな強みです。この強みによって、現在は500以上の公益団体のお客様がいます。とはいえ、これは一方で弱みにもなりえます。悪い噂が立つとそれが広がり、一気に仕事を失うことになりかねません。ですので、お客様からの評価にはかなり気を使っていますね。
当社が、お客様から評価をいただいているのは、システムの「納入」ではなく「運用」を行うことを会社のポリシーとして接しているからだと思います。システムというのは組織のトップダウンで導入したけど、現場では使い勝手が悪く、いつの間にか敬遠されているなんてことが、意外に多くあります。そこで、当社はシステムを導入してもらうことではなく、その後に適正に運営してもらうことをサービスの根幹として捉えています。当社が納めたシステムが現場で運用されなかったということが一度もないことが誇りです。

はっきり言って、会計システムをまだ使っていないという公益法人はほとんどなく、ほとんどのケースがシステム変更の検討です。長年使ってきたシステムを変更したいというのは、やはりそこには大きな不便や不満があるはずです。その不便や不満をしっかりと把握し、その解消のための運用サポートができるのが当社の一番の強みですね。

教育委員会の立ち上げで社員主導の教育体制に

-人材育成について-
そんな「運用サポート」をサービスの軸にしているため、お客様対応力の向上にはとても力を入れています。運用サポートに携わっているメンバーはお客様対応重視ですので、入社当時はIT知識や会計知識が余りないことが多く、入社後の教育体制がとても重要になります。入社後に徹底した教育をしないといけないのですが、正直なところ、少し前までは現場でのOJTというその場その場の対応が精一杯でした。それが大きく変わったのが、数年前に社内に「教育委員会」を立ち上げてからです。

委員会メンバーに選ばれた社員が主導で、研修内容や教育スケジュールをしっかり作ってくれることで、新しい人材を丁寧に育てていくという体制が整いつつあります。初めは社員主導での教育体制づくりがうまくいくのか心配もありましたが、メンバーに選ばれた社員も嫌な顔ひとつせず、主体的に取り組んでくれていて本当に助かっています。先日の朝礼で、社員の一人が社内の教育体制が整ってきていることについて発表しているのを見て、とてもうれしく思いましたね。

実は私は総務畑の出身でITや営業面には余り長けていません。だから、できることは社員にどんどん任せるようにしています。ITスキルや営業スキルに関して、どんな教育を行えば良いのかはそれに携わっているリーダー層の方が詳しいはずですから。本音としては、こんな研修など役に立つのではないかと思うこともありますが、敢えてできるだけ口を挟まないようにしています。そのため、外部研修の導入検討なども含めて、委員会主導ですべてをやってくれるようになりました。
教育というのは押し付けても結局身につきません。ひとりひとりの自主性がとても大事だと思っていますので、この自主性を育てる組織づくりだけを意識していますね。


-組織風土について-
当社は来てもらえばすぐにわかると思いますが、かなりフランクな雰囲気です。組織風土としてありがたいことに自立心の高い社員が多かったため、結構臨機応変な組織運営をしていますね。私が事務系の人間で結構ルールには細かいところがあることを自覚しているので、逆にできるだけ杓子定規なルールを作らないように意識していることも影響しているかもしれません。
特別表彰や特別報酬を出すこともよくありますし、営業で一番成果を出している社員は直行直帰でほとんど会社に来ないですし(笑)。もちろんコミュンケーションはしっかりと取っていますよ。

その人の活躍が皆にとってのプラスになるのであれば、どんどん活躍しやすい環境を作ってあげたいと思います。他の組織で同じようにうまくいくかどうかはわかりませんが、自立心の高い社員が多いことが要因なのか、当社では今のやり方がうまく機能しているように思います。
さらに、私が最近意識しているのが、できるだけ出社を減らすこと。これまでは何かあった時にすぐに対処できるよう、できるだけ会社にいるということを意識していましたが、今は発想を逆転させています。社長や幹部陣が社内にいないとその下のリーダー職が育つんですね。ですので、ある程度の体制が整ったので、レンタルオフィスなども活用し、出社をしないように心がけていますよ(笑)

人材紹介で粘り強い採用活動を

-人材採用について-
昔は大手の求人媒体を使うことがよくありましたが、空振りすると本当にショックが大きいものです。最近は成果報酬型の人材紹介を採用活動の軸にしていて、エンジニアなど定期的に優秀な人材が採用できています。
とはいえ、紹介いただく人数を増やしたり、内定辞退を減らしたりとまだまだ課題はあります。
内定を出しても簡単に承諾をもらえない時代になっているので、入社にこぎつけるまでの苦労が増えています。社員もそれがわかっているから、新たな人材が入ると盛り上がります。先日行った決算会議で来年の1月から1名入社が決まったことを発表したら、みな大喜びでした。入社までまだ3ヶ月ありますが、良い人材ならいくらでも待ちます。今後も粘り強く採用活動を続けていきます。

-今後について-
当社は主力商品が強くて、業界も公益法人や公共機関に偏っているので、民間企業向けのサービスを新たに立ち上げていくことの重要性を感じています。とはいえ、既存のメンバーではなかなか新しい発想でサービスを開発したり、企業を開拓するのは難しい。
ですので、数年前から新しく営業を採用し、彼らにどんどん新たなチャレンジをさせています。パートナー企業を開拓したり、協業でセミナーをやったり、少しずつ形になってきていますので、民間企業向けのサービスを新たな事業の軸にできるように今後も力を入れていきたいと考えています。


聞き手:千葉キャリ 種村(写真左)

社名 公益情報システム株式会社
事業内容 公益法人・一般法人向け 業務管理システムの導入及びサポート
公共機関及び文教向けソリューションの提供
公共及び民間向け販促支援ソリューションの提供
代表者 代表取締役 藤崎 忠夫
創業・設立 1997年12月3日
住所 千葉市稲毛区小仲台2-5-2 第一大越ビル3階
URL https://www.koueki.info/
採用状況 中途採用

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