株式会社大幹 代表取締役 小迫 尊光
千葉県に地域密着する地場の建設会社。道路の舗装・改修、橋などの土木工事、公園や街路樹の剪定などの造園、陸上競技場や野球場などの運動施設、集合団地、ショッピングモール等の外構工事も担っています。千葉市トップクラスの工事実績を誇ります。 |
直接雇用へのこだわりが圧倒的な競争力に
-業界の動向と自社の取り組みについて-
業界の景況感は数年前から格段に良くなっています。災害に対する備えの重要性が問われるようになり、土木工事全体の工事量が増えていることがその要因ですね。ですので、その仕事を受けられる体制の整っている会社にとってもとても良い環境です。体制というのは、端的にいうと「人材」を確保できているかどうか。業界全体の問題となっていますが、今、建設業界では本当に人材確保が至難の業なのです。
幸い、当社は昔から直接雇用にこだわって人材確保を行ってきたので、景況感の良い波に乗り、ほとんど営業をしなくても仕事の依頼がどんどん舞い込むという状況になっていますが、もっと多くの「人材」が確保できればまだまだ伸ばせると思います。直接雇用にこだわってきたことが、今の競争力につながっていますね。
もともと当社が直接雇用にこだわってきたのは、工事のコストダウンが目的です。良いものをいかに安く提供するかというのがビジネスの根幹ですが、工事費用を抑えるには自社のスタッフですべてを完了できることがベスト。とはいえ、ここには乗り越えないといけない大きなハードルがあります。
この業界は閑散期と繁忙期がはっきりしているので、直接雇用を行うと、仕事のない時期にも給料を払い続けないといけませんし、社員の管理という手間もかかります。社員寮の管理から食事の管理まで。それこそ、寮での揉め事をまとめないといけないし、寮のおばちゃんが休んだら誰が飯を作るんだという心配までしないといけません。なんで俺がこんなことをするんだ(笑)という手間暇ばかりなのですが、それを乗り越えることで圧倒的な競争力につながります。そんな苦労を乗り越えてきたことで、ほとんど営業をしなくても仕事が入ってくるという今の状態があるわけです。
現場監督には「人間力」が求められる
-人材育成について-
直接雇用に加えて当社がもう一つこだわってきたのが社員教育です。特に現場監督の仕事というのは、現場を仕切る仕事ですので、自分一人で完結する世界ではなく、人を動かすということが求められます。ここには、抽象的な表現ですが「人間力」が求められるのです。この「人間力」は、学んだ人にしか得られません。
いろんな努力をして、勉強をして、苦労を乗り越えてきた人の話は伝わるし、響きますが、それがない人の話はいくら正論であっても人の心に響きません。ですので、現場監督の「人間力」によって、その現場の生産性に雲泥の差がでるのです。
例えば、現場の作業スピード。道路を作るにあたっても、同じ時間で1mしか進まない現場もあれば、10m進む現場もあります。これはすべて現場監督の力量によるところが大きいのです。できるだけ無駄なことをせず、正しい作業を順序よくやればスムーズに進むのですが、「人間力」がないと、これができないんですね。そして、この生産性の違いが、会社の業績、収益力の違いにつながります。
それがわかっているので、当社では資格取得や勉強会を行うことはもちろんですが、毎日欠かさずに新聞を読むことから徹底させています。正直、社長はうるさいなあと思われているかもしれませんが、この学びが自分の仕事の品質に関わる、会社の業績につながることは実感しているんじゃないでしょうか。
工事現場で他社と一緒に仕事をすると、自社の環境が他社と比べてどうかということがすぐにわかりますからね。労働時間、賃金、休み、仕事内容、自分自身の成長度合い、正直なところ当社はどれをとってもかなり優れていますから。
だから、私が細かいことをワーワー言っても聞いてくれるわけです。仕事を8時間で終わらせて皆が早く帰れるようにするために、多少嫌われようが、これからも私は言い続けますよ。
-人材採用について-
5,6年前まではたくさん応募があり、それこそふるいにかけて採用していた状態でしたが、今は全く環境が逆転し、何もしなければ応募が全然来ない状況です。ですので、採用活動にはかなり力を入れています。新卒採用にも中途採用にもお金と労力を相当かけていますね。来年も2名の新卒入社が決まっています。
海外研修生の受け入れもかなり早い段階から行っていて、現在は11名。3年位で仕事を覚えたと思ったら帰国してしまう、車の運転がさせられない、などいろいろな制約がありますが、今では彼らがいないと現場が回らないくらい重要な存在です。ここまで来るにはかなり苦労もありました。
先日、海外研修生を受け入れている会社の70%以上が労基違反をしているというニュースがありましたが、当社では違反したことは一度もありません。会社全体で彼らを迎え入れる体制を整えていて、それこそ、社員には研修生をいじめたらクビにするというくらいに言っています。ですので、彼らとはFacebookでつながっているのですが、外国に行くときには空港に迎えに来てくれることもあるくらい良い関係が築けていますよ(笑)
業界への人気を取り戻すために休む!
-働き方改革について-
数年前から徹底的に取り組んでいます。建設業界は人がやめる、人が入ってこないという状況で、自分の子供をこの業界に入れられるかと考えた時に、今のままではダメだと思い、一念発起しました。財務体質がいい時期に思い切ってやるしかないと、徹底してお金を使っています。
現在、当社では、週3日はノー残業、年間休日126日です。これを実現するために、パート社員を活用した分業制を整えたり、ITツールを完備して現場監督が工事現場で事務作業して帰社しなくてよい環境を整えたりとかなりの投資をしてきています。今は閑散期ですから、ガンガン休ませています。もちろん給与は全額支給、皆勤手当も出しています。
建設の仕事は本当に面白いと思います。仕事そのものには他業界では味わえない大きな魅力があります。でも若い人がなかなか入ってこない。それは、大手企業を筆頭にこの業界は長時間労働で、土曜日も仕事をしていることを彼らが知っているからです。だから志望しない。
でも、当社は本当に週休2日を実現しているし、深夜残業もしていません。それをもっともっと伝えていきたいですね。間違いなくやりがいのある業界なので、働く環境を整えれば、必ず若者に人気の業界に戻るはずだと思っています。
-今後について-
私がいなくても会社が成長を続けられる体制を作りたいと思います。そのためには、社員一人ひとりが自分が経営者だと思って仕事をする必要があります。生産性をアップし、収益をあげるためにはどうすればよいのか、知恵を出し、工夫をする、そんな当社の良い企業文化をもっともっと強化していきたいですね。一気には変わらないので、一歩ずつコツコツとですが、前進を続けたいと思います。
聞き手:千葉キャリ 種村(写真右)
社名 | 株式会社大幹 |
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事業内容 | ■土木工事業、とび・土工工事業、舗装工事業、造園工事業 ■水道施設工事業 ・管工事業、建築工事業 千葉県知事許可(特-27)第46524号 |
代表者 | 代表取締役 小迫 尊光 |
創業・設立 | 1988年2月1日 |
住所 | 千葉市若葉区御成台3丁目1168番地23 |
URL | http://www.daikan55.co.jp/ |
採用状況 | 新卒採用 中途採用 |
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